神ひろし解説:「集客できてる芝居は駄作」!苦悩する演劇界


良い芝居、必ずしも観客を集められるとは限りません。
むしろ、良い芝居ほど、客が入らないのが現状です。
なぜなら、インターネットが発達した現在、良い芝居はかえって重く、求められていないのですから。
いきおい、チケットノルマに頼る芝居の世界では、出演者を立てる事で成り立っています。
出演者が力量あればまだしも、素人さんまがいの俳優も立てなければ集客できない状況で、演出家もプロデューサーも苦悩しています。
演出家に才能があれば、出演者を立てる為につくったそれぞれのシーンを、必要なシーンとして、一本の芝居の根幹につなげられ、最終的な感動メッセージを伝達できます。
 が、凡庸な演出家の場合、それぞれのシーンが、出演者を立てる為のシーンで終始して、芝居の根幹に繋がる事なく、無駄なシーンの羅列になります。そして、たいていは、身内の褒め合いで、「やった〜ね!」と勘違いしがちです。
 この事はパフォーマーにも言える事で、とってつけたような出番でも、パフォーマーに才能があれば、必要不可欠なシーンに変貌します。
 これらは、演出家も、俳優も、ある意味、したたかさを要求される今の時代に、「良い演出」や、「良い演技」とは何か?!をもう一度、考えなければならないギリギリの時代に来てると言っても過言ではないと思います。
 19才の時に梅田コマで大学生タレントでデビューした時、そう言った意味で、才能ある演出家と才能ある女優さんに出会えたのはラッキーでした。
 才能ある演出家は花登筐さん。才能ある女優さんは浪花千栄子さんでした!!
花登筐さんの筋の通らないセリフを浪花千栄子さんにかかると説得力ある芝居に変貌し、惑わされたにも関わらず、許せて感動できる芝居に仕上ていたのです。
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◆神ひろしの『J・Stage』記事:
『どろろ』『モーリス』のミュージカル化で話題の「神ひろし」が「貴方の才能を引き出し輝かせプロデュース!」をコンセプトに『J・Stage』(ジェイ・ステージ)を新企画。話題と波紋!新宿「J28」
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