神ひろしの歌うま「ウィスパーボイス」とは?


歌うまには、様々な技術があります。
今日は、悩ましげな声の「ウィスパーボイス」について。

(1)ウィスパーボイスとは?
ウィスパーボイス(whisper voice)とはささやき声(whisper)の事で、ささやきに近い息漏れ声(breathy voice)を指す言葉です。
特に日本の歌・朗読・ナレーションなどの分野で用いられることの多い用語です。

(2)ウィスパーボイスの効果とは?
耳元でささやかれているような息混じりのしっとり声で、優しくて甘い、時にはセクシーな印象を与えます。
囁くと言っても、決して弱々しいわけではなく言葉をしっかり伝えなければなりません。

■ウィスパーボイスの正しい出し方
(1)ウィスパーボイスと息漏れ声の違い
ウィスパーボイスと息漏れ声は似てますが厳密には違います。
息漏れ声というのは、息の漏れた声そのもので、声帯が振動していません。
が、ウィスパーボイスは振動しています。

(2)ウィスパーボイスの正しい出し方
ーその1ー「声門と息漏れ」
あくびをしている時の喉奥が大きく広がっているのをイメージしながら、声門を広げるように意識して、吐息のように息をたくさん吐きながら歌います。
声門の開け方のコントロールができるようになると、息の漏れ具合をコントロールできるようになり、声門コントロールで「柔らかい声」「吐息の混ざった声」など様々な個性的な声を作れます。

ーその2ー「息の吐き方と肺活量」
声の響きは鼻腔ではなく胸へ落とします。
息だけを口から前へ吐くイメージで歌います。
ささやくように小さな声で歌えば良いという事ではなく、しっかりした肺活量がなければ表現することはできません。

■練習法
(1)練習方法
息を吐き出す時に、少しずつ声を混ぜて発声します。
声を混ぜることに慣れてきたら裏声でロングトーンをしながら、息を吐けなくなる寸前まで声を伸ばして徐々に息漏れさせていきます。
声帯の閉じ具合が重要で、安定したウィスパーボイスが出せるまではひたすら「コントロール」を意識して練習しましょう。
ちなみにロングトーンの練習は、腹筋も同時に鍛えることができます。

(2)練習時の注意点
ささやくほどに息漏れをして声を抜きすぎると声量がない歌になってしまいます。
マイクの音量や楽曲との相性を考慮して繊細なコントロールが必要になります。
マイクに息を強く吹き掛けると雑音が入ってしまうので注意が必要です。